PEAL & Co

ピールと言えば
1964年に閉店した英国の老舗注文靴店。

それをブルックスブラザーズが商標を買取って
引き継いだブランド。

これ何年に作られたものだろう?

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トップピースはフィリップススペシャル。
あは〜イカす。

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でもってこのソールの質感は写真では違いわからないけれど
手にしてみれば全然違う。
それこそ前のウエストンやグリーンのソールのような。
何て言えばいいんでしょうか。
しっとりきめ細やか。
もう今手に入るので、こう減ってもなお質感の良さが
わかるソールってない。(僕の知っている範囲でですが)
誰か知っているなら教えて欲しい。

そして随所に年代の古さを物語るところがチラホラ。

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すみません
画像だと超絶わかりづらいかと思いますが
ソールがヒール部分で斜めにカットされていて
セパレートしているのですよ。
(トップピースのラバーとレザーの切り替えが
ある位置でちょうどウィールの模様のすぐ下辺りです)

旧工場のグリーンなんかにも見られる仕様ですが
これ前職で聞いた話では
物によってはビスポーク靴にもある仕様のようで、

ビスポークの靴はヒールを出来るだけ小さく作り
エレガントに見せるため、極限まで削り込むわけですが
そのラインを綺麗に出すには大変な手間と時間がかかる。
(如何せんビスポークであれば手作業ですしね)

そして靴は履けば減る。
ソール交換が必要になった時
このディティールが役に立つと。

ヒールのトップピースを剥がし
積み上げを剥がし
釘を抜き、
アウトステッチを切ってソールを剥がす。

そうすると先ほどのセパレートしている
ヒール部分のみは残るので
元のラインを活かして新しいソールを作り込んでいけるわけです。

こういった後々のメンテナンスを考えての意匠が
既製靴継承されたのではないか?という説でした。

そう、後々の直すことを考えて作るって
とても大切ですよ。
この靴の場合は、本当に意匠という意味合いになりますけど。

靴や革小物を日々見ていると
「これ直す時のこと全然考えてねーな」っていう
作りのものがザラにあります。
まあそういうのは直さずに新しいの買ってくださいね
ってことなんでしょうが。
でも直して使いたい人だっているんだよって思う。

なんか話がズレてきました。

とにかくですね

この時代の靴は見ればみるほど
ディティールやら質にホレボレして
そのまんま、Toeレザーだけやって
他は何もせずに取っておきたい。

あ〜バラしたくないっ。

でも仕方ない、
もっとソールがボロボロのが届いたら良かったんだけど
私は心を鬼にして作業に取りかかりますよ。

できるだけ綺麗にバラして
ソールとヒールは資料として残しておくつもりです。

見たい方はお声掛けください。
(多分誰もいないと思うけど)