履き心地に大きく影響するインソール。
WELDではハンドソーンウェルテッドという製法を採用しています。
中底の加工やウェルティングを手で行うので手間のかかる製法なのですが、
中底を直接加工するため厚みを持たせることができるためクッション性がよかったり、グッドイヤーと違い構造上返りが良かったりと素晴らしい特徴を持っています。
その工程を少し見てましょう。
革を濡らして何点か釘止めをし
ラバーのチューブでぐるぐる巻きにして木型の底面の形を革に覚えさせます。
これは一晩置いて癖がついたところです。
土踏まずの部分に注目して頂きたいのですが、フマズにそって革が盛り上がっていて、それに加え後程釣り込みの際にいれるカカトの芯で土踏まずを支えるような作りにしています。
これはWELDを始めた当初、このやり方をするかどうか迷い結局、売る値段と手間が見合わないためやらないことにしていたのですが、最近やはり履き心地のためにこの工程を入れることにしました。
靴は柔らかければいいというものでもないし硬すぎてもだめで、柔であるべき部分と剛であるべき部分がそれぞれしっかりあってこそ良い靴になります。
この工程を踏むことで柔と剛が上手く掛け合わされることになります。
そしてここから更に形を整えてウェルトを付けるための加工を施していきます。
このようにして中底の裏面にウェルトのための縫い代になる溝を作ります。
グッドイヤーとハンドソーンの違いはここになります。グッドイヤーは中底の上にリブテープと呼ばれるパーツを接着しそれをウェルティングの縫い代にします。そのため中底はすこし薄めになりますし、テープが6㎜くらいの突起のため履き初めの返りがわるかったり、6㎜の差があるため沈み込みも大きくなります。
それに対しハンドソーンは写真のように厚み4〜5㎜の革に直接溝を作るため突起がない。それを埋めるためのコルクなどの中ものが少なくて良い。というので沈み込みも少ないし返りも始めから良いです。
最終的にはこのような感じになります。
まったく見えないところになるのですが、手を抜けるところは一つとしてありません。そして見えないところであるからこそ、その靴の神髄が隠れていたりもします。
(グッドイヤーとハンドソーンの違いを書いたのでグッドイヤーのデメリットが目立つような書き方になってしまったかもしれませんが、グッドイヤーは良くないとかそういうことではありません。素晴らしい製法です。そこはお間違えのないよう。そもそも、それぞれの製法の良さがあり思想があるのでどれが至上などではないのです。)
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