一体何が違うの?という話

WELDで採用している製法のハンドソーンウェルテッドとグッドイヤーウェルテッド、どちらも似た構造を持っていて、でも何が違うのだろう?と思われる方もいるかもしれません。マスターピースラインがハンドソーンウェルテッドでスタンダードラインがグッドイヤーウェルテッド製法。さて、この違いとは?

詳細な構造の違いの前にまずは中底の厚みを見ていただきたいのです。

写真左がグッドイヤーに使う中底で厚みが約2〜3mm、右がハンドソーンに使う中底で厚みが6〜7mm。この厚みの違いが大きく履き心地を左右してきます。

グッドイヤーは厚みが薄い分をコルクで補うため、しばらく履く事でコルクが沈み履く人の足型つまりはフットベッドを形成していきます。ただこれが履き馴染んできたときサイズ感が変わる原因ともなってしまうのですね。また、ウェルトと呼ばれるパーツをつけるためのテープが履きはじめに固いと言われる所以。

対してハンドソーンに使う中底はかなりの厚みがあり、この革自体が沈んでフットベッドを形成していきます。これはコルク程サイズ感の変化は出ず、尚且つ足型が徐々にできる。そして一番大事なのですがクッション性というか、足入れした時の安心感が断然違います。僕は製作するにあたりどちらの製法も同時期に試し履きを繰り返すことがありますがその違いに毎回驚きます。

そして、ウェルトをつける際に中底に直接加工するためテープを必要としません。そのためハンドソーンの場合履き始めから返りがよく、そしてコルクも少量ですむ、そんなメリットだらけ。手間がかかる分価格に反映せざるを得ないのはデメリットかもしれない。だけれどもそれを上回るメリットがあります。

違いはあれどグッドイヤーウェルテッドも安心感、堅牢性は充分あります。10年でも20年でも付合っていける。入門編にはぴったりでしょう。

ハンドソーンはそれを更に超える履き心地と安心感そして満足感を得られるので、更にこだわっていきたい方に是非大賢して頂けたらと思っています。

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